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木綿着物(もめんきもの)はカジュアル代表!どんな種類や産地があるの?

木綿着物は女性のほか男性にも人気のきものです。

全国に産地があり厚手のものから薄手のものまで色々あります。

日本の風土にあっていて着心地がよく、お値段も手ごろなので普段着物としてお出かけ用に最適です。

今回は専門店や種類も多い、木綿着物についてご紹介します!

 

木綿のきものって?

木綿の着物は絹物よりも扱いが簡単で着付けしやすいため初心者向けといわれます。価格は手頃で、お手入れが楽なのもその理由です。洋服でも使われている身近な存在ですので気楽に着られ、街になじむ雰囲気を楽しむことができます。

 

木綿は絹と比べると生地が重く厚いので、単衣に仕立てるのが一般的ですが、袷でなくてもオールシーズン着られます。冬でも肌着を工夫して寒さをカバーすれば単衣でも大丈夫です。

 

木綿の生地はすべらないので着付けがとても楽で着崩れも起こりにくく、慣れていない初心者でも安心です。

着付けにつかう襦袢は絹がオススメです。摩擦が起こりやす木綿の着物に絹の襦袢を合わせることによって静電気が発生しないのでもたつかずに歩きやすくなります。

 

着物に合わせる帯は、木綿の帯はもちろん絹の帯も合わせることができます

半幅帯でカジュアルに着こなすこともでき、名古屋帯でちょっとしたよそゆきの装いも楽しめたりします。

 

代表的な柄には、部分的に色付けされた糸で織り文様を表す絣(かすり)、違う色糸で線を織りだした縞(しま)、その縞柄を縦と横で組み合わせた格子(こうし)があります。

 

木綿きものの産地

木綿は着るほどになじみ着心地がいいのも特徴。産地によって厚手のものや、糸が細くすべすべした肌触りのものなど質感もさまざまです。

 

松阪木綿(まつざかもめん)

三重県の松阪地域で織られている木綿で、松坂嶋と呼ばれる縞模様と藍染めの独特の風合いが特徴です。

室町時代に綿が日本に入ってくると、農家の日常着として定着しました。無地のように見える松阪木綿は江戸で人気を呼ぶことになりました。

松阪木綿

 

会津木綿(あいづもめん)

福島県会津地方で織られている木綿で、幅広く使われた厚手で丈夫な生地で作られています。洗っても強く、温かみのある着心地が魅力です。

江戸時代の初期から生産されており、武士の奥方が内職に織っていたとされます。農作業からお出掛け着まで使われていました。日常着の布地として使われていたので厚手で丈夫、縦縞模様と鮮やかな色が特徴。価格もお手頃で手織りの風合いのある織物として人気です。

会津木綿

 

片貝木綿(かたがいもめん)

新潟県小千谷市片貝町で織られている木綿で、裾さばきがよくて、縮みも少なくしわにもなりにくいのが魅力です。表面にわずかに凹凸ができるので、汗を吸ってもべとつくことはありません。肌触りさらりとして着れば着るほどやわらかく肌になじんていきます。機械織りもあり、薄く色落ちしにくく扱いやすいので手頃な価格で楽しむこともできます。

片貝木綿(かたがいもめん)

 

 

伊勢木綿(いせもめん)

三重県津市で織られている木綿で、ほっこりと柔らかく、保温性、通気性に優れています。よりをかけない糸で織るので、しわになりにくく、使うほどに布に味わいが出てきます。

伊勢木綿(いせもめん)

 

久留米絣(くるめかすり)

福岡県久留米地方で織られている木綿で国の重要無形文化財に指定されています。藍染めの綿糸を丹念に織ってできた絣模様が、素朴で温かです。絣とは部分的に染め分けた糸で織った織物のことで、ところどころかすったような模様が見られるのが特徴です。

肌触りがよいのも魅力で、洗えば洗うほど柔らかくなり絣の柄が冴えてくっきりしてきます。また、藍染の紺と白のコントラストが美しさをひきだしています。お手頃なやや厚手のしっかりした機械織りのものもあります。

久留米絣(くるめかすり)

 

弓浜絣(ゆみはまがすり)

鳥取県米子市・境港市で織られる木綿で、美保湾に面して弓なりに反った細長い砂浜地帯から弓ケ浜と名づけられました。砂地のため、農地には適さないため綿(わた)を作り、地藍で染色して製織されていました。

伊予から伝わった絵絣がもとで、手引きした地綿を用いた緯糸だけで絵絣を織りだします。鳥、花などの動植物や日常生活に密着した絣模様が特徴で丈夫でしっかりした木綿織物です。

弓浜絣(ゆみはまがすり)

 

伊予絣(いよがすり)

愛媛県松山市で織られる木綿で、伊予の絵絣は、本来は嫁入り用か来客用の布団地用として織られていたので、めでたい柄が多いです。現代では、種紙を使った複雑な絵模様がきものに織られています。

伊予絣(いよがすり)

 

 

備後絣(びんごがすり)

広島県福山市で織られる木綿で、備後絣は井桁模様からはじまったといわれています。それまでは太糸縞という縞木綿が織られていましたが、幕末から明治にかけて絣を織るようになりました。

備後絣(びんごがすり)

 

作州絣(さくしゅうがすり)

岡山県津山市で織られる木綿で、紺地の絵絣や幾何絣は倉吉絣の影響を受けています。紺の地色と白の部分が鮮やかなのが特徴です。

作州絣(さくしゅうがすり)

 

その他の木綿

デニムの着物

薄手のジーンズのような生地で織られた着物です。絹に比べたら重く、裾さばきにも多少ごわつきがあるが、現代のカッコよさがあります。

デニムの着物

 

コーデュロイ着物

冬のお家着にぴったりのコーデュロイの着物。昔はコールテンと呼んでいました。コーデュロイは木綿よりも地厚で滑りが悪いので、裾さばきがなかなか大変です。

コーデュロイ着物

 

綿しじら

独特のシボのある生地の木綿です。通気性がよく軽くて動きやすいので浴衣にも着物にもアレンジができます。夏の普段でも着られる涼しくて動きやすいのが綿しじらです。

綿しじらの浴衣

 

まとめ

裾さばきもよく、軽やかに着ることができる木綿着物。自分でも洗濯ができる気軽さもあり、無理なく着回しもできます。

着れば着るほど愛着がわく木綿着物を上手に活用し、コーディネートを楽しんでみてください!

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