和装の履物である草履を履くときには足袋が必要です。着物の格式によって種類や柄、色など選び方が左右されます。
足袋は着物を着るうえで、あまり注目しない部分ですが、やはり足袋にもルーツや決まりがあります。
今回は和装の足元を彩る足袋について調べてみました。
足袋とはどういうもの?
着物の靴下にあたるのが足袋です。草履の鼻緒に指の間ではさんで履くために指先が二股に分かれています。
数え方は左右揃っていれば一足(いっそく)と数え、片方だけの時は一枚と数えます。
素材は木綿がほとんどですが、テトロンやナイロンなどの化繊(かせん)のものもあります。木綿は吸湿性に優れ、何度洗濯しても型くずれしにくく、手軽に洗えるのも人気の理由です。
綿の足袋は通気性に優れているため一年を通して使用できますが、夏用として麻のレース足袋、冬用としてネル生地の足袋など季節に合わせたものもあります。
足袋の部品の一つで、くるぶしで留める金具部分をこはぜといいます。
こはぜは4枚と5枚が主流なので好みで選びます。こはぜは動きやすく足首をしっかり包む4枚のものが一般的です。こはぜ1枚で長さに約2センチの差があります。日本舞踊をされる方は立ったり座ったりの動作が多いので、5枚こはぜのほうが丈が長い分肌が見えにくいため5枚こはぜを着用します。
足袋は普段の足のサイズよりも0.5cm小さめを選ぶのが目安です。
選び方のポイントはやはりぴったりと合うサイズで、なるべく足が細く、小さく見えることを意識すると良いといわれています。
白足袋
礼装用、街着として着る着物、どちらにも白足袋を用いるのが一般的です。基本的に改まった場所や、きちんとした装いを求められる場合には、この白足袋を履きます。
白足袋はフォーマルからカジュアルまで着用することができ、一年を通して使用できます。
色足袋
色足袋は淡い色から濃い色まで様々な種類があります。
カジュアル用でフォーマルには不向きですが、汚れが目立たないという利点があります。
足袋の底が白色と色付きのものがあります。
柄足袋・刺繍足袋
柄足袋はもっともカジュアルな印象になる足袋です。シンプルな着物に合わせると足元のポイントとして楽しむことができます。
カジュアル用に白地にワンポイントの刺繍が入った足袋もあり遊び心を演出したものもあります。色足袋・柄足袋にも刺繍がほどこされたものがあり種類が豊富ですが、足裏は白のものを選ぶと足袋らしさが出るのでオススメです。
その他の足袋
その他の足袋としてストレッチ足袋があります。
こはぜのついていないストレッチ素材でできたカジュアル用の足袋で、簡単に履くことができ、伸縮性があるので履き心地も快適です。
また靴下タイプの足袋ソックスもあり、ストレッチ足袋よりもカジュアル向きになります。
足袋の歴史とは?
たびは古くは「単皮」とか「踏皮」と書いたものでした。
「足袋」という文字をあてたのは室町時代の頃からといわれていますが、江戸時代前期は鹿の革で作られた足袋を履いていましたが、皮革が高くなったため木綿足袋にかわっていきました。
伊達を競った江戸後期には、色足袋もあったようです。
大正時代の頃は、こはぜの数もふつうは二枚か三枚でした。四枚、五枚こはぜというのは舞踊家か粋筋の人のはくものでしたが、 近頃では四枚が一般向きになってきました。
足袋のお手入れ
足袋を使う前には、 まず水に浸してよく糊気を落とし、アイロンをかけてからはきます。
糊気がとれていると、足にぴったりして気持ちよくはけます。
きものや帯や小物の用意がととのっても、足袋はよく汚れるので多めに用意したほうがよいです。
お茶席やお座敷に上がる際、足袋が汚れていては失礼にあたります。道中に足袋が汚れることもあるので、替え足袋を小袋に入れ、携帯しておくと安心です。
脱いだ足袋は足袋入れ袋にしまい、帰るときに再びはき替えます。
まとめ
いかがでしたか、足袋の世界も奥深いですね!
自分のサイズに合ったものを履いて、足元にも美しく見せてお出かけされてみてはいかがでしょうか!
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