かんざし

和装小物 髪飾り

簪(かんざし)とは?着物に使うタイプの種類やデザインなどまとめました

かんざしは髪をまとめる道具としても使われる髪飾りで、日本古来の伝統的な装飾品として親しまれています。

着物のときの髪型は髪の毛が衿にかからないのが基本ですので、束ねたヘアースタイルに彩りを添えるアクセサリーとしてかんざしは重宝されます。

今回は柄がちらりと見える隠れた主役、かんざしについてご紹介します!

 

着物のかんざしについて

簪

かんざしと相性のいい服装はやはり着物で、和のかんざしをつけることができるのは着物の醍醐味です。

基本はおだんごヘアと呼ばれるまとめ髪にしてかんざしをさします。おだんごの作り方や挿し方のアレンジで自由度の高いおしゃれを楽しめます。

 

昔は日本髪にかんざしをさす場合、長く垂れ下がる飾りがついているものは前へ、シンプルなかんざしは後ろへつけるしきたりがありました。

現代のふだんの髪型ではとくにルールはありませんが、フォーマルの場では髪型やかんざしもきちんとしたスタイルにするのがマナーとされています。

 

日本のかんざしの歴史は古く、縄文時代に魔除けとして髪にさした一本の細い棒が始まりとされています。

平安時代以降になると髪を束ねずに下ろした姿が流行し、時代ごとに移り変わる髪型とともにかんざしも使われなくなっていきました。

装飾としてのかんざしが大流行したのは、江戸時代の後期ごろです。このころの職人の手により現在のかんざしの原型となっている平打簪(ひらうちかんざし)、玉簪(たまかんざし)、花簪(はなかんざし)、びらびら簪(びらびらかんざし)などが作られました。

明治時代になると洋髪が流行して和のかんざしは一時衰退はしましたが、今では1本で髪をまとめられる機能美が評価され、素材や形、細工などにさらに工夫が加えられていろいろな場面で活用されています。

 

かんざしの軸

かんざしはたくさんの種類がありますが、土台となる軸(じく)は大きく分けて一本軸二本軸があります。

 

一本軸

軸が1本でつくられているかんざしで、定番タイプです。

一本軸のかんざしは、おだんごヘアの束ねた髪にさして使うほかに、軸で巻いてとめることもできます

一本軸のかんざし

 

二本軸

軸が2本に分かれているかんざしです。

二本軸のかんざしは、強度が弱いためおだんごヘアにさす使い方が一般的です。

二本軸は一本軸よりも固定され、髪から落ちにくいのが特徴です。


 

かんざしの種類

かんざしは形によって種類が分かれ、一本軸、二本軸があります。それぞれの代表的なものをご紹介します。

 

玉かんざし(たまかんざし)

棒の先に玉がついたシンプルなデザインで、かんざしの代表ともいえるポピュラーなかんざしです。

玉の材質や大きさもいろいろあるので、着物とのコーディネートも幅広く楽しむことができます。

 

人気の玉かんざしは、色模様をあしらったガラスビーズのとんぼ玉です。透明なとんぼ玉は、涼しげな装いになり夏にピッタリです。

とんぼ玉のかんざし

 

平打ちかんざし(ひらうちかんざし)

棒の先に平らな飾りのついたかんざしで、軸足と同じ素材の細工もあります。

漆塗り、べっ甲、木材、金属など材質はさまざまで、装飾も円形や菱形、亀甲形の枠内に蒔絵や透かし彫り、毛彫りの細工が施されたものなど、いろんなタイプがあります。

 

揺れものかんざし(ゆれものかんざし)

棒の先に揺れる飾りがついているかんざしで、動きによってその存在を常にアピールされ、小さくてもとても印象的にうつります。

揺れものかんざし

 

江戸時代の揺れものかんざしは、棒先から何本もの鎖が下がり、その先に蝶や鳥などの飾りがついた形の「びらびらかんざし」が主流で、未婚女性が使用していました。

びらびらかんざし

 

結びかんざし(むすびかんざし)

棒の先の部分をねじって結んだ形のかんざしで、結び目の先に模様があるものや総柄のものなどあります。

結びかんざし

 

つまみ細工(つまみざいく)

つまみ細工とは、小さく切った布を折りたたみ、つまんで立体的な形を作る日本伝統の技術で、つまみ細工のかんざしは「つまみかんざし」や「花かんざし」と呼ばれます。

華やかな色使いで花や鳥をモチーフにしたものが多く、舞妓さんのほか浴衣や七五三の飾りにも使われます。

 

バチ型かんざし(ばちがたかんざし)

三味線のバチの形をした扇状のかんざしで、二本軸が主流です。

透かし彫りや蒔絵を施したものが多く、べっ甲で作られたものもあり高級なものはフォーマル着物にも合います。

バチ型かんざし

 

飾り櫛(かざりぐし)・笄(こうがい)

飾りぐしは髪をとかす目的ではなく、髪飾りとして日本髪の髷(まげ)にさして使います。和風と洋風の櫛の違いは、日本の櫛は幅の中央にしか歯がないのに対し、洋風の櫛は幅全体が歯になっています。

現在は主に振袖や花嫁衣装、舞妓さんなど華やかな場でさします。

櫛・笄

 

笄は細長い棒の髪飾りで、二つに分かれる作りのものもあります。

髪を巻きつけて日本髪の髷を作る道具として使われ、櫛とセットで作られることが多いです。

笄(こうがい)

 

まとめ

おめかしして大人の華やかさを演出したいときにかんざしはうってつけです。

シンプルベーシックな古典的な柄から工夫されたデザインまで、今ではバリエーションが豊富になっています。

洋服にも合うおしゃれな和のかんざしもあり、つけるとクラシカルで大人っぽい印象にもなります。

コーディネートの差し色として、髪色に合わせていろいろなかんざしにぜひ挑戦してみてください!

 

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