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ウール着物とはどんなもの?特徴や見分け方、着こなしや手入れなどをご紹介!

ウール着物はカジュアルな普段着として、紬や木綿の代わりに着用されるお手軽な素材の着物です。

あったかいウール着物は冬の季節にぴったりでかわいい絣の柄もたくさんあります。

洗濯など手入れも簡単で、帯を合わせた着付けのコーディネートもお手軽に楽しめるので、初心者の方にも人気がでてきています。

今回はウール着物とはどういうものかご紹介していきます!

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ウール着物の特徴について

ウールは羊毛のことで羊からとれる動物繊維です。洋服だとセーターなどニットによく使われる素材です。

正絹は少し価格が高いですが、ウールは比較的お手頃な値段で購入することができるので初心者向きとも言われています。

 

ウール着物はシワになりにくく動きやすいため、日常着として気軽に楽しむことができます。

着物の柄も、格子や縞柄、市松などシンプルなものが多いので帯コーデの幅が広がります。

厚手の生地なので単衣で仕立てることが多いですが、保温性があるので冬など3シーズンで暖かく着ることができます。


ウールは毛織物ですので手触りはザラつきがあるため、ウール100%だと肌に触れるとチクチクとします。

ですので現在のウール着物は絹糸を織り交ぜたシルクウールも多く作られています。

シルクウールはしなやかで肌触りがよく、綺麗な光沢も生まれますので高級感がでます。さらに絹には虫食いがありませんので小穴防止の役割にもなります。

 

また、木綿が織り込まれているコットンウールもあり、木綿の素材に温かみが追加された着心地のよい着物ですので洋服感覚でお出かけすることができます。

 

その他に冬に着るウール着物とは別に、夏季に着用する少し透け感のあるサマーウールというものもあります。

ウール繊維は弱くなりやすいため、薄手のサマーウールの場合は化繊かシルクが混紡されている交織の生地が主流になります。

 

男性用のウール着物もあり、無地のアンサンブルや作務衣、とんびコートなどによくウールが使用されています。

 

ウール着物の歴史

ウールの着物の歴史は浅く、普及したのは昭和の頃です。

着物が日常着として着られていた時代に、他の着物よりも簡単に作られるということで、洋服を作るウール織機から着物が作られました。

動きやすくリーズナブルであったため、昭和時代にウールの着物が大流行します。

一昔前は着物を家庭でお手入れやお直しがするのが通常でしたので、良く着る機会のあったウール着物は縫いやすいように単衣に仕立てることがほとんどでした。

昭和50年頃を境に一時衰退していきましたが、現在は着物の有名ブランドもウール着物を製作しており、それに伴って再び人気が出てきています。

 

ウール着物の着こなし

ウール着物は先染めの織り着物と同格なので、着こなすには下に長襦袢を着用します。

ただしポリエステルなどの化繊の場合は静電気がおきやすいので、モスや正絹の素材にするなどにして注意しましょう。

 

帯は名古屋帯なら上品な着姿になり、半幅帯なら軽やかに装うことができます。

染め帯や織り帯、色柄は好みで自由に選べますが、部分的に金糸、銀糸、箔が施されている場合は礼装っぽくなりますので、控えめなものがおすすめです。

 

寒い季節に着ることが多いウール着物は羽織ものもよく着用します。

ウールが使われているポンチョやコートだとウール着物と合わせても静電気も起きにくいためコーデがしやすく重宝します。


 

ウールの見分け方

ウールの見分け方は、実際に触って比べてみると判断ができます

絹とは違いウールは手触りがざらついていてゴワツキがありますし、絹独特の光沢がありません。

 

見た目や触れてみてもわからない場合は、飛び出ている裏側の端の生地や糸を小さく切り取って、軽く燃焼実験をしてみたあとに臭いや燃えかすを見てみるとより正確に判断ができます。

ウールは動物性ですので、蚕からできた絹や植物性の木綿とくらべてきつい臭いがします。

燃え方にも特徴があり、ウールや絹は縮むように黒く燃えますが、木綿はふわっと灰色に燃えて消えます。また燃えずに溶けた場合は化繊になります。

ただし燃焼実験は火を取り扱うので、実際に行う場合は注意して調べるようにしましょう

 

ウールのお手入れ方法

ウール着物のお手入れ方法ですが、セーターと同じおしゃれ着洗いで洗濯することができます。

おしゃれ着洗い用の洗剤でネット入れて洗濯機で洗います。その時はお湯ではなく水洗いだと繊維が縮まず弱くなるのを防ぐことができます。

ただし正絹が混ざっているシルクウールなど自宅洗いがむずかしいものもあるので、その場合はクリーニングにだして綺麗にしてもらうことをおすすめします。

箪笥に収納する時はカビにならないように湿気をしっかりとってから、虫食いされやすいウール素材ですので防虫剤を上にのせて保管しましょう。

 

まとめ

ウールの着物は新たな街着として注目を浴びつつあります。

日常的に着る着物なので季節に関係なく単衣で仕立てるので、裏地がなくそのぶん反物の仕立て代も安いですし、裏地がないのでお手入れも楽ちんです。

この機会に帯合わせを楽しみながら、お買い物などカジュアルシーンで気軽にウールの着物を満喫してみてはいかがでしょうか!

 

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