四季折々のお花が描かれた着物は周囲をパッと明るく照らし、女性を美しく演出してくれます。
それぞれの花の意味や日本古来の歴史について調べてみました!
さっそく、画像と一緒にみていきましょう!
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ユニークな文様特集!着物の模様の楽しさは無限大!!
着物の文様にはこれまでご紹介してきたように、吉祥柄や動物など多種多様です。 模様の歴史は古く、描き方によって意味や着こなす季節が変わってきます。 では、今回はさらに珍しく、美しい文様をご紹介してみたい …
松皮菱(まつかわびし)
松皮菱は菱文を変形させたもので、上下に小さい菱を付けた子持ちの菱の形をしています。
松の皮を剥がした形に似ていることから名づけられました。
笹・竹(ささ・たけ)
「竹取物語(たけとりものがたり)」でかぐや姫が竹をよりしろとして生まれたように、まっすぐに伸びる竹は古くから神聖視された木でした。
文様は虎や雀、ほかの植物と組み合わせたり、単独でもあしられます。
梅(うめ)
梅の原産地は中国っで奈良時代の少し前に日本に伝わり、貴族の間で競って屋敷に梅の木を植えました。
菅原道長(ふじわらのみちなが)もこよなく愛でた梅は学問が栄える時に見事に咲くという言い伝えがあります。
天神信仰との関わりもあり、中世からは庶民にも好まれました。
藤(ふじ)
藤は日本に自生し古くから観賞されています。
平安時代後期の藤原氏の繁栄とともに格付けされ、有職文様(ゆうそくもんよう)として装束に藤の花が使われました。
柳(やなぎ)
柳は枝垂れる姿が好まれ文様に使われます。
雪が積もっている姿もあり、また梅や燕とともに早春の景として組み合わせられます。
水辺に植えられることも多いので、蛇籠(じゃかご)や水流とともに取り合わされています。
早蕨(さわらび)
早蕨は先端が巻いている形態が面白く、刀の柄頭が曲がっているものを「蕨手(わらびて)」とよびました。
文様としてはあまり一般的ではないが、琳派の人たちに好まれて意匠にしました。
鉄線(てっせん)
鉄線花は中国原産の花です。六弁の花びらを持ち、洋名はクレマチスといいます。
固い蔓(つる)をもつことから、結びつきを願い花嫁衣裳や訪問着に使われます。
唐草文様にデザインされることが多いです。
牡丹(ぼたん)
牡丹は中国の唐代に富貴の象徴、また「百花の王」として絶大な人気を博しました。
日本では平安後期に工芸作品に意匠化されますが、異国的な雰囲気があまり受け入れられなかったといいます。
江戸中期以降になって栽培が進み、ようやく一般的となりました。
蓮(はす)
極楽浄土(ごくらくじょうど)に咲いているという蓮は仏教美術に欠かせない花として、飛鳥時代の仏教伝来とともに朝鮮経由で日本に入ってきました。
正倉院の染織品や平安時代の「平家納経(へいけのうきょう)」、桃山時代の辻が花などに使われました。
沢潟(おもだか)
沢潟は葉脈が葉の表面に高くなっているため、「面高(おもだか)」と名付けられました。
主に湿地や水田に生える植物です。
矢じりの形をした葉や花が平安時代頃から文様化され、やがて武将たちの間でも流行し、江戸時代には多くの大名は旗本の家紋とされました。
桃(もも)
中国の神話では、西王母(せいおうぼ)という西方の女神の住む庭の桃の木は三千年に一度実をつけ、これを食べると寿命を延ばすとされます。
長寿の象徴となり、日本では「古事記(こじき)」に悪鬼を桃で追い払った神話があり、桃は邪気を払う霊果とされました。
柘榴(ざくろ)
柘榴は実のなかにたくさんの種を持っていることから、中国では子孫繁栄の印として結婚の品々に使われた文様です。
日本でも鬼子母神(きしぼじん)の象徴として、吉祥果と呼びます。
仏手柑(ぶっしゅかん)・桃(もも)・柘榴(ざくろ)の3つを合わせて三多文(さんたもん)といい、それぞれ「多福・多寿・多男子」の三多を表しているといわれます。
宝相華(ほうそうげ)
宝相華は特定の花があるのではなく、牡丹(ぼたん)・しゃくなげ・芙蓉(ふよう)などの花の美しい部分だけを取り出して作った空想の花です。
仏教装飾に使われるが、本来は西方のペルシア的な感性の中で生み出されたもので、中国から日本へ国によって、また時代によって次々と変化する不思議な花です。
唐花(からはな)
複雑多弁な花形文様の総称で、形は様々であるが基本的に円形に構成されています。
特定の花をデザインしたものではなく、平安時代の和様化で5~8弁にまとめられて染織品や紋に多く使われます。
唐草(からくさ)
唐草文様は蔓性の植物を空間充填した文様で、もとは遠くギリシア・ローマの連続文様のパルメットから発展したとの説もあります。
常に成長するような無限の発展性を秘めた唐草は、やがて梅や菊など蔓をもたない花までも巻き込んで発展します。
おわりに
皆さん、いかがでしたか?楽しんでいただけましたか?
まだまだ素敵なお花がありますよ。
ぜひ、次回を楽しみにしてくださいね。